みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
音楽ライター まさいよしなりです。
「我ら音楽マサイ族」、今回採り上げますのは本日リリースされたこちらの復刻盤です。
P-MODEL(ピー・モデル)は1979年に日本で結成されたテクノ・ポップのバンド。プログレッシヴ・ロックを展開していた前身バンドの解散によって生まれました。デビュー当時は同時期に結成されたプラスチックス(グラフィックデザイナー、イラストレーター、スタイリストらによる素人パーティーバンドから発展してデビュー)、ヒカシュー(演劇人とミュージシャンとの邂逅)とともに「テクノ御三家」などと呼ばれていました。
「テクノポップ」に括られるこの3つのバンドに共通して言えることですが、確かに表現方法としてシンセサイザーやリズムボックス等のテクノロジーを用いてはいましたが、もっと広く、ポスト・パンク、ニューウェイブの流れにいたものとざっくり捉える方がより相応しいと思われます。その意味で、彼らのスタイルはアメリカのバンドDEVO(ディーヴォ)の影響を強く受けているものと言って間違いないでしょう。
さてP-MODELですが、79年、80年、81年に当時のワーナー・パイオニアから初期アルバム3部作をリリースしており、これらの最新リマスタリング、高音質CD化が進められていました。昨年11月に1st「IN A MODEL ROOM」、12月に3rd「ポプリ」が復刻され、そしてこのたび待望の2nd「ランドセル」が登場。初期3枚の復刻盤がこれにて出揃ったことになります。
鬼才・平沢進(Vo,G)を中心に、秋山勝彦(B,Key)、田中靖美(Key)、田井中貞利(Drs)と、デビュー当時の4人による最後のアルバムがこれです(リリース後、秋山が脱退)。本人たちによる「脱テクノ」宣言前夜、さらに何か新しいものを…と模索する若い才能のスナップショットがここに収められています。